*アスチルべ*

      『恋の訪れ』

  **************

ー優雨奈sideー
それは、突然やってくる。

病気でもないのに胸がドキドキしたり
苦しくなったり。

私はそれが高1の夏にやってきた。

「桃、私花の水やりしてくる」
「桃も行く!」
「え?今日は彼氏と約束あったでしょ?」
「ドタキャンされた」
「え?喧嘩でもしたの?」
「・・・」
「そっか。じゃあ、行こっ」
「うん!」

私、石橋 優雨奈。高校1年生。

そして親友の早川 桃。

桃には他校に彼氏がいる。

「ねぇ、優雨。男って皆束縛するのかな?」
「それ、彼氏がいない私に聞く?」
「そうだった!」
「束縛されるの?」
「束縛っていうか桃の事信じてない」
「そうなんだ」
「優雨は好きな人いないの?」
「うん」
「そういえば、今日も弘瀬君告白されたらしいよ。」
「へぇ、すごいね。」

弘瀬 綾斗君。
皆、ヒロって呼んでる。
学校のモテ男。

「優雨ってほんと、そのへん興味ないよね。」
「あ!*牡丹*が咲いてる!」
「も~。そんなんじゃ一生彼氏できないよ」
「別にいいもん」
「ったくもう」
「あ!桃見て!もうすぐ*百合*が咲きそう!」
「ほんとだね」
「早く咲くといいな」

元気に咲いてね!