「桐野ぉーっ」
桐野の肩で寝ていた海斗が目を覚まし、
桐野の制服の袖をぐいぐい引っ張っていた
「ん?どした?」
桐野は読んでいたサッカーの雑誌を
パタンと閉じ海斗を見た
「なんか…っ怖い夢見た…」
海斗は目をうるうるさせそう言った
『は!?数分しか寝てねーじゃん!』
オレは海斗に言った
「でも怖い夢見たの!」
海斗はそう言い今にも泣きそうだ
ス…ッ
「大丈夫…海斗、オレがいるから」
桐野は海斗の頭を撫でた
「うぅ、ありがとうっ」
海斗は嬉しそうに桐野の腕にすりついた
「あぁ…」
桐野はふっと微笑んだ
桐野は海斗にだけ優しい
めったに笑わない桐野は海斗の前では
少しだが笑っている…
「過保護だなー、桐野」
西野はそう言った
「海斗も桐野にばっか甘えてねーで自立しろよーw」
天原が笑いながら言った
「そーだぞ、昨日のは少しやりすぎだ」
遠藤は昨日の海斗が桐野についた嘘のことを言っているのだろう
「だってあのマネージャーの反応見て見たかったんだもーん」
海斗は笑いながらべっと舌を出した
『あとちょいで桐野、マネージャーのこと殴るところだったんだぞ!』
オレはムッとなり海斗に言った
「んもー、わかってるよ!昨日のことじゃん!龍也が桐野のこと止めたんだからいーでしょ!」
海斗は頬をふくらませた
『まったく…』
オレは、はぁとため息をついた