「一ノ宮龍也!2年のキャプテン!改めてよろしくな!」

一ノ宮くんは笑顔で言った

『は、はい!』

「んじゃ、海斗から順番に言っていけ!


一ノ宮くんは海斗くんの横に並んでいるみんなを指差した

「…んもぅ!」

すると海斗くんが頬をふくらませながら
一歩前に出て私を見た

「2年の佐原海斗です…っ佐原っていうのは呼び慣れてないからっ、海斗って呼んで…」

海斗くんは少しはずかしそうだった

『はい!』

私は頷いた

「じゃ、次な」

一ノ宮くんは次の人を指差した

「…桐野慶…2年」

無愛想にそう言ったのは
さっき私の頬をぶとうとしていた桐野くんだった

『よろしくですっ』

私がそう言うと桐野くんは小さく舌打ちをした

「崎本陣、2年〜」

だるそうに足をパタパタさせる
ソフトモヒカンの男の子が言った
ユニフォームの着方もダルダルだ

『よろしくですっ』

私がぺこっと頭を下げるとはぁっとため息をはいていた

(え…?何?)

崎本くんのため息に私は首を傾げた

「あ!次オレか!」

崎本くんの隣にいた色黒で金髪の男の子が一歩前に出た

「1年の伊崎棗です!よろしくッス!」

伊崎くんは顔の横にピースサインをした

『3年の安藤夏紀です、よ、よろしくお願いします…っ』

1人に言ったからだろう
さっきよりは噛まずに言えた