「うっわ!もう終わったんスか!?」
そう叫んだのは
大きな部活カバンを肩にかけ走ってきた
色黒で金髪の男の子だった
「伊崎!!」
「テストのことで担任に説教されて…遅れてすんませんー!」
色黒で金髪の男の子は頭を下げた
「おせーよ!アホ!」
一ノ宮くんはその男の子の額にデコピンをした
『…?』
この色黒で金髪の男の子…
どこかで見たことあるような感じがした
「ん?…あっ!あんたはっオレとぶつかった人!!」
色黒で金髪の男の子は顔を上げると
私を見てそう言った
『…あ!昼休みの…』
私はハッと思い出した
昼休みにぶつかった男の子だと
「あれ?なんであんたがここにいるんスか?」
色黒で金髪の男の子は首を傾げた
「こいつは今日からサッカー部のマネージャーになったんだよ」
一ノ宮くんはそう言った
「え!?マネージャー!マジですか!」
「あ、そだ…お前らー!今から一人一人自己紹介していくぞー!」
一ノ宮くんは何かを思い出すように
みんなに言った
「はー?めんど!」
「そー言うなって!マネージャーもお前らの名前わかんねぇと大変だろ」
一ノ宮くんはみんなにそう言うと
私に、な?とあいづちをうってくれた
『あっお願いします…みなさんの名前を覚えておきたいので…』
私はぺこりと頭を下げた
「ま、そーゆーことだ!じゃあさっきもしたけどオレからな!」