「桐野!お前女相手に何しようとしてんだよ!」

『一ノ宮くん…』

桐野くんの手首を掴みぶたれるのを制してくれたのは一ノ宮くんだった…

「龍也っ!聞いてくれよ、この女…海斗にひでぇことを…」

桐野くんは手をおろすと私を指差した

「あ?マネージャーが?」

一ノ宮くんは私を見た

『あの!私…そんなこと』

「こいつがひでぇことなんてするわけねーだろーが!」

『!』

一ノ宮くんはため息まじりに桐野くんを見た

「だって海斗が…」

桐野くんは口ごもると海斗くんを見た

「オラァ!海斗ぉ!お前また嘘ついただろ!」

一ノ宮くんはズカズカと海斗くんの目の前に行った

「嘘じゃないもん!本当だもんー!」

海斗くんは目をうるうるさせながら叫んだ

「本当だもん、じゃねーし!マネージャーがお前をいじめるほど男慣れしてねーよ!」

一ノ宮くんは海斗くんの頭をぱしん!と軽く叩いた


「マネージャーは男が苦手なのに千堂の奴に無理矢理マネージャーやらされてんだ!オレらのことが怖いんだぞ!?そんな奴がオレらのこと手ェ出せるわけねーだろ…」

一ノ宮くんはそう言った

『一ノ宮くん…』

「つーか!海斗!お前変な冗談言うなよ!しかも1番厄介な桐野なんかに!」

「うぅ…はぁい」

海斗くんは唇をとがらせ小さく頷いた

「桐野もすぐ海斗の言う事信じてんじゃねーよ!危うく勘違いで女を怪我させるところだったんだからな!」

一ノ宮くんは桐野くんを睨んだ

「あぁ…」

桐野くんは少しうつむいた

「マネージャー!悪いな、海斗のせいで変な誤解受けて…」

一ノ宮くんは罰が悪そうな顔をした

『ご、誤解が解けたのならいいですよ…』

私はそう言い微笑んだ

「そっか!」

キーンコーン…

すると部活の終わりを告げるチャイムが鳴った