バド部に入部してから2週間。あたしたちの部活は和気あいあいとしていた。

先輩も優しかったし、なにより同じくらいのレベルの人がたくさんいて、みんなで一緒に成長してるのが分かり楽しかった。

加奈は経験者の菜穂ちゃんとペアを組んで一足先に進んでいた。先輩達にも期待されていて、真剣にしてる。

初めはラクそうだから、という理由で入部したものの、どんどんと上手くなっていくのが実感できて嬉しかった。

そしてなにより、知り合ってからまだ2週間しか経ってないのに、あたしは啓太のことを次第に気にかけるようになっていた。

部活以外でも話したり、たまにジュースを奢ったり奢られたり。表面上は普通の友達だったけど、あたしの心の中には確かに小さな恋が芽生えていた。

自分でもこんなのおかしいと思う。知り合って少ししか経ってないのに好きになるなんて。

卒業の少し前に別れた光の二の舞にはなりたくない。そう思うとなかなか積極的な行動はしにくかった。

事実、こんなに親しげにしてるのに、まだアドレスを聞けずにいる。うじうじしてるあたしを加奈は気にかけてくれた。