今ほど、自分の下半身を恨んだことはないだろう。

オレのアホ。


「リアナちゃん、こんな時間にめずらしいね。今日、お仕事お休み?」


サキがリアナに問いかける。


「うん。今日は休みもらってん。あ……そうや。マヒロ君!」


リアナに呼ばれてオレの肩はビクンと震えた。


「な……何でしょうか?」

って、敬語だしっ。


「マヒロ君も、今度うちのお店きてよ」


そう言いながらリアナは名刺のようなものを取り出してオレに差し出す。


「店……?」


受け取った名刺を月明かりに照らしながらじっと見つめる。


「ニューハーフバー……“プシュケ”……へ? ニューハーフうううう?」


名刺とリアナの顔を交互に見比べる。


「ウソだろ?」


ポカンと口を開けたまま唖然とするオレにリアナは、はにかんだ笑顔を見せた。


「ちょ……ちょ……ちょ……」


リアナの腕をひっぱって、みんなからちょっと離れたところへ連れていく。


「マジで?」