「いえ、いえ。かわいいだなんて、全然です…かわいいなんてなかなか言われないし。言われ慣れてないから恥ずかしいです」


「ううん。かわいい。好きな声だよ。俺の…」


雅也は、始めて話すのに次から次へといちいち顔を赤くさせるようなことばかり言うから

赤くなったり、変な汗をかいたりしながら意味もなく部屋中をウロウロしながら電話をしていた

「あのさ、彩花はどこに住んでるの?」


「え?…」


実は嘘をついて登録した住みかは隣の県だったりする。
ネットに普通にリアルを書くのが恐いのもあり。嘘をついたんだけど。余りうまく嘘をつけない私はせめて隣県にしておこうと思ったのだ。


「雅也は?九州の方だよね?」


「うーん、実はそれよりかなり東。もしかしたら彩花のプロフもちょっと違っていたら近いのかなあ?なんて勝手な妄想」


「かなり、東?もしかして近畿?」


「まあ、そんなとこ。前は本当に九州にいたんだ。今は近畿にいるよ」

携帯を通して聞こえてくる声は近くで雅也が遠くにいるとは思えない



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