「あぁ~。始まっちゃった…」

「もう、なんて言い訳すれば…」

迷ってました、なんて言って許してもらえるはずがない。

「てか、お前らなにしてたわけ?」

ん?そういえば…

「私たちは迷ってただけだけど…
花崎こそなにしてたの?」

「あぁ~、寝坊みたいな?」

やっぱり。


「みたいなって(笑)」

でも、

「あの…結局ここってどこ?」

結愛が花崎を見つめる。

その光景に嫌な感情がわき出てくる。

不安にも似た、嫌な感情。

「は?昇降口からのぼる階段の上らへんの廊下、て言えばいいのか?朝通ってるだろ?」

「え?あ!ほんとだ!」

結愛の目線の先には3年の教室。

いつもは人がたくさんいるからわからなかった。

そういえば今、3年は修学旅行、だっけ?

どうりで誰もいなかったわけだ。