青の衣服を脱がし肌に触れ、まだ何の役割も見つけていない小さな乳首を指先で潰したり摘んだりした。
それはセックスをする時の愛撫にとても良く似ている。しかし、その行為はどこか機械的に見えて、そうまるでただ触ってみているだけ。研究者が初めて見る未知の生命体を調べる時のような、無機質で義務的な感じが愛撫とは大きく異なっていた。
「女のくせにつまらない奴だな。」
父親はふん。と鼻を鳴らすと、青の肌をきつく抓り上げた。
皮膚をちぎられそうな痛みに青は引き付けを起こしたように悶えた。
そんな青を虫でも見るような目つきで一瞥すると、父親は家を出ていった。
ドアが閉まった途端、癪を切ったみたいに涙が溢れてきた。
力が入っていた肩がだらんと落ちる。
今まで殴ったり蹴られたりしたことはあっても、衣服を脱がされあんな風に体を触られることは初めてで、肌の上を舐めるように這う指が酷く気持ち悪くて、その行為や指先にまとわりつく意味がはっきりとは分からなくても、何かとても普通ではない異常なことをされているということは僅か4歳余りの青にも分かった。あんな風に執拗な触り方をされるくらいなら、一層のこと痛いことをされている方がましだと本気で思う。
解放された安心感に未だ涙は止まらず、寧ろ呼吸はどんどん浅く狭くなってゆく。