「なんかがっかり。僕のこと面白がってるんでしょ」

「えっ！？　そ、そんなんじゃないよ！」

「どうだか。信用できない」

　なんでこんな展開になっちゃってるの……！？　

　かえでくんは私のこと拒否するつもりなの……？　

「本当に、私そんなんじゃないってば！　普通にかえでくんのこと好きだよ！」

　普通にって自分で言ってて意味わかんないけど、でも！　

　でも、かえでくんに信用できないなんて言われたらパニックになっちゃって！　

「普通に、って何？　僕、普通じゃないくらいあかりちゃんのこと好きなんだけど」

　低い声で告げられたかえでくんの言葉は、それ単体で聞けば私にとっては嬉しい言葉だった。

　だけど、この状況では……。

　どう考えても、手放しで喜んでいる場合ではない。