「なんで? 思うところなんでも言ってみて」

「あー、その、うーん……」

 ど、どうしよう。

 私を追い詰めるようなかえでくんの追及に、冷や汗が出そう。

 答えられない私に、かえでくんの表情が変わっていくのがわかる。

 そして……

「わかった。あかりちゃんって僕の表面的なことしか見てないんだ」

 それは私にとって死刑宣告のように聞こえた。

 私を抱きしめていた腕を離して、かえでくんは起き上がる。

 不安を感じながらも私が起き上がると、かえでくんは冷たい表情を浮かべていた。

 私を拒絶するようなその表情に、心臓が冷えていくのを感じる。