「ばかにしてるの?」

「え?」

「僕に可愛いなんて禁句だよ。今度言ったら許さないからね」

 見つめる目はすごく真剣で……。

 軽々しく可愛いなんて言えないんだと気付いた。

 そうか、かえでくんは女の子の身体という自分に、すごく否定的なんだ。

 だから、女の子扱いされるようなことをひどく嫌う。

 そんな単純なことに気付けなかった私は、なんて馬鹿なんだろう。

「まあ、良いや。お昼にしよ。これでもいい?」