「朱里、上向いて」





__ドキっっ






北村くんがあまりにも優しく、普段呼ばないあたしの名前を呼ぶから…





つい上を向いてしまった。






上を向いたら、当たり前のように北村くんの顔が近くにあった。





…ドキン…ドキン…っ
とあたしの心臓は、早く動く。





「…お前が好き、大好き」





「〜〜〜っっ!」






北村くんは顔を赤く染めながらあたしを見つめてくる…。







「…ふぇっ…っく」




さっきから溜まっていた涙が、ブワッと溢れ出した。





これは悲しい涙じゃない。




嬉し涙なんだけど…