「…ついて来い」




あたしにしか聞こえない声でそう言うと、北村くんはあたしの手首を掴んで司会者の元へ向かった。





な、なにが起きてるの…?



女の子たちは、あたしたちのその姿をみて悲鳴にも近い声でなにか言ってる…




「ちょっとだけ、話があるんです。
少し時間をください」




北村くんが司会者にそう言うと、司会者は「…わかりました。10分だけですよ?」と言った。




…ドキドキ…ドキドキ…



あたしのは北村くんの後を追って、ひと気が少ない場所までついてきた。