≪1位は……
1年A組、北村涼太さんです!≫
司会者がそう言ったあと、
グラウンドからは
わぁああっと言う歓声が飛び交う。
…もう、全員ゴールしたみたいで、これから表彰式があるらしい。
「ちょっと朱里!
北村君すごいよっ!
やっぱり王子様じゃなーいっ♪」
「…うん、すごい、すごいよぉ…っ」
…あたしは、感動して涙が出てきた。
≪北村さんっ! ちょっと…表彰式がまだあるのですが⁉︎≫
え…?
なぜか司会者を無視して、北村くんはこっちに向かって歩いてくる。
えっ…
そして、あたしの前で止まったんだ。