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一番最後の人が3周走り終わってコースに出たら、一気にグラウンドは静かになった。




「北村君、このままいけば1位だよ!」





舞ちゃんはあたしにそう言ったあと…「応援頑張ってたね!」と付け足して言われた。




「うん、頑張ってほしい…」





「ぐすっ…まことぉっ…頑張ってほしいよぉ…」
「ひかる、一生懸命走っててカッコ良かったよぉっ…ヒクッ」





周りにいる女の子たちから、口々に男の子を応援する声が聞こえる。





きっと…あたしと同じく想いを馳せている相手なんだと思う。




「…みんなが好きな人に頑張ってほしいと思ってるんだね」




舞ちゃんに小さくそう言うと、「そういうもんなんだね! 朱里も含めてっ」って言って、からかってきた。





…しばらく経つと、




≪…おぉ! 1位と2位が来たようです!≫





という司会者の声と共に…僅差の男の子2人が見えてきた。