「お前は二人三脚頑張れよ?」
グラウンドに戻りながら、北村くんが言ってきた。
「えっ!?
二人三脚でるの、知ってたの!?」
絶対知らないと思ってたよ…。
「だってお前、コレ以外出ねーじゃん。
だから、一番楽な種目だよなって思った」
…うっっ
あたしが運動苦手で、こういう種目にでるの面倒くさいってわかってたんだ…。
…恥ずかしい。
≪次の種目は、男女混合二人三脚です。
選手の皆さんは急いで__…≫
「ほら、行くんだろ?
頑張って来いよ」
北村くんは、人に見られないように、あたしの頭をポンとした後、赤軍応援席に戻った。
「…うん、頑張る…」
…北村くんにポンとされたことを思い出して、あたしは胸がキュッとした…。