…ドキドキ…
…ドキドキ…




胸の鼓動が北村くんに伝わるんじゃないかってくらい、早いよ…。





「あ? 知ってる。
…この辺でいいか」




そう言うと、北村くんはあたしをゆっくり下ろした。




あれ…?
保健室は…?




ここ、人がいないし…校舎裏??




「お前が気分悪く見えるって言ったの、あれ演技だから」




北村くんの言葉に、ハテナが浮かぶ。




「え…じゃあ、なんで…演技なんかしたの??」



「走る前に、お前と2人きりになりたかったから?」




北村くんの笑みを含んだ声が耳に届く。




「…えっと」




な、何を言えばいいんだろう…。




あたしは、ドキドキしすぎて北村くんを見るのでいっぱいいっぱい。




「…もっかい言って」