「だってさ、それにさ、北村君て朱里にだけなんか違くない?」





「…へ?」




なんか違うと言われたら、それは間違いなく……『ヒマつぶし相手』じゃ…




えっ、ば、バレてないよね!?




不安になって舞ちゃんを見るけど…




「だ〜ってさ、一緒にお昼食べてるんだよ?
他の人なんてね、今まで一緒に食べようと挑戦するけど、王子様スマイルでサラリと断られてきたんだから!」




そ、それは…あたしが北村くんの『ヒマつぶし相手』だからだけど…




そんなの言えない…




…あっ!
「ほら、あたし、昔から仲良いから…だよ。
それだからじゃない?」




前に北村くんが、あたしを女の子から守ってくれた時のことを思い出して言ってみた。




「何言ってんの!
それだけじゃないんだよ!?」




うぅ…舞ちゃんこわいです…。




「…そういえばさ、
成田くんもマラソン出るんだってね?」




「うん…そうみたいだね」




…成田くんに告白されたことは、舞ちゃんには言ってある。




「成田くんて、見た目かわいいけど…なかなか男らしいって人気なんだよ。

北村君の次くらいに人気あるんじゃない??」




え…っ!?




成田くんて…
「…もしかして、モテるの?」



「うん。 そうみたい。

朱里はホント羨ましがられる存在だわ」





し…知らなかった…




成田くんが、モテるってこと…。




意外にそうなんだぁ…。




「…朱里、気を付けなよ?」