「早川さん、さっきウチの郵便受けに何入れたの??」

 早川さんの背中を擦りながら、早川さんの顔を覗き込む。

 「すっごくイイものですよ。 見てみて下さい」

 早川さんが『ニィ』と笑ってオレを見た。

 その笑顔があまりにも可愛くて、ドキっとした。

 動揺を悟られぬ様に、平静を装いながら郵便受けの暗証番号ダイヤルを回す。

 郵便受けから、早川さんが入れたであろう白い袋を取り出す。

 白い袋には、合格祈願のお守りと、大吉のおみくじが入っていた。

 「木崎センパイ、初詣行きました??」

 「イヤ、まだ」

 初詣は、三が日を過ぎて参拝客が少なくなった時に、オカンを連れて行こうと思ってたから。

 「だろうと思って、木崎センパイの為に大吉引いてきました!!」

 ニカっと笑ってピースサインをオレの顔の前に翳す早川さん。

 ・・・イヤイヤイヤイヤ。 おみくじって自分で引かなきゃ意味ないんじゃないの??