「スイマセン、ありがとうございました」

 「ん」

 早川さんから携帯を受け取り、代わりにカイロを手渡した。 だって、さっき早川さんに携帯渡した時、早川さんの手が凄く冷たくなっていたから。

 「あったかーい。 ありがとうございます。 木崎センパイ」

 嬉しそうにカイロを両手で握る早川さん。

 そんな早川さんを、もっと暖めてあげたくて、早川さんの背中を擦った。

 ・・・違う。

 早川さんが可愛くて、触れたいと思った。

 オレが早川さんを嫌っていた様に、早川さんだってオレに嫌悪感を抱いているかもしれない。

 オレにこんなことされるのは、嫌かもしれない。

 でも、早川さんとくっついていたいと思った。