「島田さん、知り合いにオレの番号聞きまくって、さっき掛けてきてくれたんだよ。 着暦の1番上の番号、島田さんだから早く掛けな」

 「そうなんですか!?? スイマセン、じゃあ少しだけお借りしますね」

 早川さんは、オレに『ペコ』っと頭を下げると、オレから少し離れて島田さんと自宅に電話を掛け始めた。

 電話なのに『ごめんね、ごめんね』と何度も頭を下げる、早川さん。

 そんな姿を見ると、『イイ子なんだろうな、早川さんは』と心がほっこりした。

 『これ、ワタシの携帯じゃないから、帰ったらちゃんと何時間でも怒られるから、今は切るよ、お父さん』 聞こえた早川さんの会話により、早川さんのお父さんが相当怒っている事が発覚。 早川さんは、言い訳せずに怒られるらしい。 オレは、そんな早川さんの潔さも好きだ。

 暫くして、電話を切った早川さんがオレの方へ戻って来た。