「…愛梨っ!」

その声に気付いたのか、愛梨が駆け寄ってきた。


…かわいい。

ちょこちょこと、こっちに走ってくる姿は、まるで小動物のよう。


『瞬君っ!
ごめんね、人がいっぱいでね、見えなかったのを男の子が助けてくれたの。』



こんな姿を見るだけで、俺の心の中の嫉妬はすっかり消えてしまう。