彼女は突然、立ち上がると先生の元に駆け出した。
なにやら、先生と話をしているようだ。
すると、次の瞬間彼女が手にしていた本が先生の手元に渡った。
本、取り上げられてやんの
俺は独りでにくすくすと笑い出してしまった。
「おい、高坂なに一人で笑ってんだっ!」
「すんませーん」
先生の怒号が飛ぶが、俺にはそんなのお構いなし。
決めた!
次の彼女はアイツにする。
それから、俺は情報を網羅し、彼女を探し当てた。
『1年 岸本ゆりな』
昼休み、彼女を見つけにそのクラスに足を運んだ。
扉から教室内を覗くが、彼女らしき人は見つからない。
このクラスだって聞いたのに……
俺は、扉から教室の中へ入ろうとしている子に声をかけた。
「なぁ、岸本ゆりなってこのクラス?」
「そうですけど、さっき先生に呼ばれて付いて行っちゃいましたよ?」
「ちょっと、頼まれてくんねぇ?」