急いで階段を駆け上がる。



屋上への扉を開ける前に一度深呼吸をして息を整えた。



ガチャリと扉を開くとフェンスに寄りかかって座っている彼を見つけた。



「よっ!」


「ぉ、おうっ…」



なんだか一日会ってないだけなのに、久しぶりにしゃべった気がする。



彼の隣に私も腰かけた。





先に口を開いたのは彼の方だった。





「悪りぃんだけど、やり残したことあったわ」


「あと、何やるの?」


「ギュってして?」


「はぁ?」



腕を広げて待つ彼に、私はそっと覆いかぶさるように飛び込んだ。