「決めるのは俺だから。欲しいってものは身の回りに置いとくよ。でも、要らないものを与え続けられても、結局ゴミになるだけだから。だったら、早いうちから手をうっといた方が絶対いい」


「そっか」



彼なりのポリシーみたいなもんなんだってそれだけ感じた。



あぁ、二人で並んで歩くこの瞬間、この一時が永遠に続けばいいのに……



でも、現実はそう甘くなくて……



私の家はもう目の前……



「じゃあな、今までありがとう」



そっと、額に唇を落として、去っていく。


ポタポタと大粒の涙が頬を伝った。