彼は振り向き、目をまんまるにして、私の瞳を据えた。



視線を元の位置に戻すと、ふっと息吐く。



「そんなの、初めて言われてたわ。」


「サンキュ☆」



そう言って、私の頭をポンポンする。



ほら、来た。


お得意の。



分かっていてもキュンときてしまうのが、人ってもの。



私を家まで送ると、「また、明日!」と言って去っていく彼。



その言葉は、あと何回聞けるだろうか……。