大凶なんて悪魔や疫病神に憑りつかれでもして、十字架を背負って生きてるうな、相当不幸な人間が引く都市伝説だと笑っていた時期もあったけど、こうしていとも簡単に自分で引いてしまったショックは大きい。

白い吐息を漏らしながらがっくりと肩を落とす私に、舞鶴さんが励ましの言葉をくれる。


「そんなに落ち込むことないじゃないか。仮に大吉を引いていたら、おみくじ上ではそれ以上の吉は望めなくなるだろう。逆に大凶ならこれから上がる一方なんだし。僕はそうやって前向きに考えることが幸を呼ぶ秘訣だと思うんだけどな」


流石お手伝いしているだけのことはある。こういう場面でのフォローがお上手だ。
でもまぁ確かに舞鶴さんの口達者な持論は一理ある、というかポジティブ思考の鏡とも言うべきか。
関心しながらも、再び手にしたお雑煮からつまんだニンジンを口元に運ぶ。