「そういえばさっきのオミクジどうだったの?」
「あ、まだ見てないんだった」


神社の裏にあるあまり人通りの少ない場所に移動し、舞鶴さんがくれたお雑煮を啜っていた私は、一度お雑煮を近くにあった切り株に置いてから、お財布の中にしまっていたオミクジを取り出す。
舞鶴さんと思わぬところで再会したことに気をとられていたせいか、当初のお目当てをすっかり忘れていた。

さて、今年の運勢オープンといきましょうか。
なんて駄菓子のアタリを引き当てる感覚で無駄にワクワクしていた私は、この後すぐにどんよりとしたオーラを漂わせることとなる。


「うわ、大凶……」


気休めとは言ったけど、内容次第では落胆する可能性が無きにしも非ずであることを思考の外に追いやっていたのは実に迂闊だった。
根拠も無しに自分の運を過信して、きっと大きな吉がでるものだとばかり期待を膨らませていた私のテンションはガタ落ちである。