「やーん、お母さんめっちゃ可愛いじゃん!愛加もいつかこんなドレス着てみたいなー!」
「ははは、寂しいけどお父さんもいつか愛加とバージンロード歩いてみたいよ」
「ありがとー!愛加いつか絶対お父さんみたいな良い男と結婚するね!」


愛加がお父さんと談笑する傍ら、私はそこに写っていたドレス姿のお母さんをみて、無意識のうちに声を漏らしてしまった。


「……お母さん、本物のお姫様みたいだ」
「だろう?お父さんもドレスを着たお母さんをみた時、自分だけの特別なお姫様に見えたものだよ」


そう言ったお父さんの穏やかな表情は、まるで優しげな王子様のようだった。
お母さんが特別スタイルが良くて美人なんてことはない。
だけど、お父さんにとって確かにお母さんはお姫様だったのだろう。
そしてそのお姫様と結ばれたお父さんは、お母さんにとって王子様だったのだ。