女性が告白されるのを待つなんてのは、昭和世代の考えかと思っていたけど案外そういうわけでもないみたいだ。
最近の少女漫画にだってヒロインから告白するパターンも多い。
私もいつまでも足踏みしてないで思い切るべきなのかもしれないな。
フラれるくらいならいっそ片想いのままでいようという臆病な自分と、もし気持ちを受け入れてもらえたらと期待している自分がせめぎ合っていたけど、お母さんがお父さんにした告白の話を聞いて少し価値観が変わったかもしれない。

脳内で真面目に思考を巡らせていたら、ドタドタと階段を降りてくる音がした。
大きなアルバムを手に、リビングに駆け込んできたのは愛加だ。


「ねえこれ、お父さんの部屋にあったの持ってきちゃった!これってお父さんとお母さんの結婚写真だよね?」
「ああ、それも後でみんなで見ようと思ってたんだ」


愛加はテーブルの上のアルバムを置いて、弾んだ声をあげながら早速ページを捲る。