「お父さんモテたでしょ?」
「それが残念ながらそうでもなかったんだ」
「えー、こんなにイケメンなのに?」
「実はお父さんこれでも昔は結構荒れててな」
「うそー、初耳だよ」
「だからみんな怖がって女子は全然寄ってこなかったんだ。で、お母さんはその頃生徒会長をやっていたんだが、お父さんが問題起こすごとにお母さんが説教してきてな。最初はうるさいなって思ってたんだが、段々とその世話焼きな部分に惹かれていってね」
「素敵な出会いー!それでそれで?お父さんが告白したの?」
「いや、それが告白してきたのはお母さんの方だったんだよ」
「ええー!?」 


予想の斜め上をいく二人の馴れ初めに、思わず声をあげてしまった。
だってお父さん毎年お母さんの誕生日にお花を買ってきてくれるくらいロマンチストで優しいし、絶対自分から告白しそうなんだもん。
まあ学生の頃は雰囲気違ったみたいだけど、昭和のオラオラ系なら尚の事男の方から想いを伝えるってなりそうな感じでは?
そのご時世に自分から告白とか、お母さんやるじゃん。