『…生徒の皆さんが充実した夏休みを過ごせるようの祈っています。校長』


校長の話なげぇーー。


疲れちゃったよ…



あぁ、でもこれから校長の話より長い、長い夏休みが始まるんだ。



藤崎先輩に会えない…



実は、あたしと藤崎先輩はアド交換したんだけど、一回もメールを送ったことがないのです。



メールしたいけど、特に大事な話ははいし、藤崎先輩も迷惑とか思いそうだから、やめておこう。



✱✱✱✱



夏休みを明日に控えた寂しい夜。


ひなから電話がかかって来た。




『だからー、京ちゃんに告りなって!』



電話越しのひなの声はあきらかに興奮しているのが分かる。


「いやぁー、無理だ。それより、ひなこそ宇治原先輩に告らないの~??」



あたしはナチュラルに話題を変えた。



応援してくれてるひなには悪いけど、あたし藤崎先輩に告るつもりはないんだ。



きっと結果は……良くないと思うから。



『うち、宇治原先輩に告ろうと思ってんだよねー……』



「え!!マジで!?スゴーイ!」



ひな、あたしには持ってない決断力があるね…