では、*あいら*さんに特別に書いてもらった『ここは溺愛文豪部。①〜天才だらけの文芸部で、はじまる溺愛生活〜を公開中!

「そもそもプロット作りや、直すのってどうやるんだろう?」そんな人向けに初稿~完成までのプロット全6種を無料公開♪

もともと、小説家をテーマにした作品を書いて見たいなぁと思って、作っていた作品です。

今回、執筆企画をすることになり、引っ張り出してきました。私が中学2年生にデビューした経験をもとに何か書けないかなと思い書きました。

直感ですが、面白くないと思ったからです。いつも直感で考えてしまうので、面白くないと思った時は、何が面白くないのか具体的に考えてみます。


今回、第1弾のプロットの面白くない部分は

  • 目的が曖昧

結局小説家デビューしたいのか、文芸部存続のために戦いたいのか、どっちが目的なのかわかりません。

目的がふたつあるのはいいのですが、個々で浮いていると主人公に芯がなくふらふらしているように見えます。話も複雑に見えてしまい、このままでは読者さんに心から楽しんでいただけません。

  • ヒロインとヒーローの魅力が足りない

ヒロインとヒーローに、応援したいと思える要素が少ないように感じました。

例えばなんですが、皆さん自分が好きだと思う人と話している時って、楽しいですよね。興味ない話でも、その人が話しているから楽しんで聞けたり、もっと聞きたいと思ったりしたことはないですか?

でも、好きと思えない人と話している時って、どれだけ興味のある話題でも、心から楽しめませんよね。それは小説でも一緒で、好きだと思えるヒロインじゃないと、話を聞きたいともみたいとも思えないのだと思います。なので、このヒロインの話だったらみてあげてもいいと思ってもらえないと、始まらないんだと私は考えています。

そういう意味で、第1弾のプロットの時点ではヒロインとヒーローの好感度が足りないと感じました。


以上が大きな理由ですが、とにかく現状このプロットは15点くらいなので、自分で面白いと思えるところまで修正が必要でした。

私のプロットの修正方法は、「面白くない」と感じる部分をつぶしていくことなので、この部分を重点的に修正していき、個人的にはすごくよくなりました。

これならいけると、手応えを感じ始めたのがこの第2弾プロットです。

第2弾をもとに、修正案をふたつつくりました。

これは、ヒーローが人気作家だとバレるシーンを、①巻に入れようと考えて加えた修正です。


本当はシリーズを想定するなら、正体をバラすのは①巻じゃなくてもいいと思ったんですが、①巻での全体的な満足感が足りなかったので、もったいぶらずにもう①巻で正体をバラしてしまおうと決めました。

もちろん、シリーズを想定して作る時は、②巻③巻と読んでいただきたい気持ちがあるので面白いポイントを書く巻に散りばめたりしますが、大前提は①巻を読んでくださったすべての方に満足していただくことです。

なので、正体バレの重要なシーンをラストに入れて、満足感をアップさせようと思いました。


どうやってバラそうかと考えた時に、頭の中で案がいくつか出てきました。その中でも2つがいいなと思ったので、頭の中で絞ってひとつを書き起こすよりも、とりあえずどっちも書いてみました。それが、この2つのプロットになります。


①は書いてる途中でこれはなしだなと感じました。

全体的に重くなってしまったからです。①巻のイメージはシリーズ全体のイメージを決めると言っても過言ではないので、①巻で暗くなってしまうのだけは避けたいです。ということで、今度は②を書いてみます。

②は、個人的に重い空気にならず、かつ颯爽と現れるかっこいい演出ができるので、書き終わった瞬間に②で行こうと決めました。

第2弾の②案で決まれば、さらに足りないところを探します。

第1弾の時のように、「面白くない」「面白さが足りない」というところをしらみつぶしにあげていきます。


  • サブヒーローたちのキャラが全然立っていない

これは分量の問題でもありますが、今のままではこのキャラたちに溺愛されているのを読みたいと思ってもらえないと感じ、キャラの設定を付け足しました。

  • 溺愛の説得力が弱い

溺愛作品は、ただたくさん愛されていたらいいというものではありません。溺愛には、”それ相応の理由”が必要です。「どうしてヒーローはこのヒロインがこんなに好きなんだろう?」と読者さんに感じさせてしまったら、溺愛として成立しません。自分でさえ恋に落ちそうなヒロインが認められて愛されているのを見るのが溺愛の醍醐味ですので、「理由」と「ヒロインの魅力」が絶対的に必要です。

私の場合は、「人はそんなに簡単に誰かを愛さない」という持論を頭に置いて、好きになるエピソードを考えています。

今回の場合、ヒロインを好きになる理由がもう少し必要だと感じて、エピソードをさらに加えました。

  • ヒロインの才能

ヒロインは、読者様に愛される女の子がいいと私は思っています。共感していただけたり、応援していただけたり、とにかく好かれることが大事だと思っていますが、中でも「他の人とは違う才能を持っている」という設定をいつも考えています。愛されるヒロインには、性格以外にも特別感が必要だと思っているからです。今回のヒロインは、少し才能の部分が見えにくかったので、ラスト、ヒーローたちに才能を認められるシーンを入れることで、「ヒロインはすごい子なんだ……!」と思っていただけるようにしました。

  • ①巻以降の見せ場

シリーズ作品は、①巻②巻と続いていくことが前提です。

①巻で読みたい要素をすべて書いてしまっては、②巻も読みたいと思ってもらうことができません。そのため、②巻やそれ以降に続く要素をいくつか設定する必要があります。

今回はそれが弱いと感じ、いくつか要素を追加しました。

  1. 幼なじみとして設定した「綾くん」。彼が「いつ再登場するんだろう…!」とわくわくしていただけるように残した要素のひとつです。①巻ではそこまでかかわりがないサブヒーローについても、これから彼らがどうやって物語に関わるのか、ヒロインを好きになるのか楽しみにしていただけるように設定を盛りました。
  2. ヒロインのメガネ設定についても、私の作品ではもう定番化している設定ですが、いつバレるのかというアクセントになります。
  3. ラストの第一文芸部の寮に引っ越すという会話も、「どんな寮なんだろう」「これから共同生活が始まってどうなってしまうんだろう」と思っていただけるように入れました。

以上、私が修正したところと、その理由についてお話しさせていただきました…!

言語化するのが苦手なので、わかりにくいところが多々あったと思いますが、最後まで読んでくださってありがとうございます…!少しでも参考になれば嬉しいです…!


ちなみになんですが、このくらい書き込んでも原稿執筆中に修正する場合があります。まるごと変えることもしばしばあります。人は日々成長するので、毎日面白いことを思いつきますよね。数日前の自分では書けなかった、考えられなかった面白いことを思いつく可能性があります。ですので、こっちの方が面白い!と感じた場合は、迷わずそっちに進みます!


そして、ここまで書いてきてこんなことをいうのもなんですが、絶対にプロットが必要というわけではありません。プロットをかけなくても、小説は書けます!

なので、プロットを書くことを前提にして腰が重くなってしまうくらいなら、もう何も決めずに書いてしまってもオッケーです!

私も中学生の頃は、プロットはほとんど書いていませんでした!ざっくりノートに書くくらいだったので、大体の内容が決まっていれば大丈夫です!

皆さんの執筆活動がうまくいくように、全力で応援しております……!!

『ここは溺愛文豪部。①〜天才だらけの文芸部で、はじまる溺愛生活〜』

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