「可及的速やかにフリーターは」
4章 フリーター ブルース
・30代フリーターのすぐそこに控える
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「当時、ゲームセンターの仕事をしているときに、すでに不安があった、ということですか?」


「不安というより、いつまで続けられるんだろう、という危機感の中で――」


「フリーターっていうのは、常に先の見えない恐怖を感じている人も多いと思うんですが」


「20代後半から30過ぎると――」


言葉に詰まる。


フリーターとは不安定な雇用の下、低賃金で働く人たちのことだ。

10代や20代前半であれば、そうした労働環境下で働くことに不安を抱かないかもしれない。
たとえ抱いていたとしても、当面その問題に対して解決を棚上げしておくことができる。


ボクがゲームセンターの店員になったとき、ボクの20代は残り少なくなっていた。

店内でボクより年長者はいなかった。
アルバイトのほとんどは20歳前後。
ボクは22歳のとき塾で中学生を教えていたが、あのときの生徒と同い年の人間と同じ待遇時給800円で、同じ仕事をしている。

社員も全員、ボクより年下だった。
店を任されている店長すらも、ボクより3つ年下だったこともある。
一部の社員はボクを呼び捨てにし、そのことに何ら抵抗がないようだった。


ゲームセンターという場所は30前後のフリーターが働くには世知辛いところなのかもしれない。
いや、そもそも30代でフリーターをしていることが辛い。

何しろボクの勤めていたところでは、30過ぎて勤めるには相応の覚悟か、相当な鈍感力が必要とされた。



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