「可及的速やかにフリーターは」
4章 フリーター ブルース
・フリーターのときの経験が今の仕事に
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「いろんなお仕事を経験されていたということで、それが今のネットでのお仕事に活かせた、というようなことはありますか?」


「いや……」


ボクは即座に否定したものの、それをどう説明しようか思案した。
この質問から、kota氏がどのような答えを望んでいるかわかる。


「ええ、いろんな仕事の経験が、今の仕事に役立ってますね」


このように答えていれば、kota氏の想定通りにインタビューは進んでいただろう。

塾講師やフリーター時代に様々な仕事を経験したおかげで今の自分がある、というのは大筋間違っていない。

今の仕事がうまくいって、フリーターから脱出することができた。

だが、それはいろいろな仕事の経験があったからうまくいったのではない。
その仕事を、うまくいくまでやり続けたからだ。


「フリーターのときの経験が今の仕事に役立った、ということはほとんどないね」


ボクはそう続けた。

kota氏は次に用意していたであろう、「具体的にどんな風に役立っていますか?」という質問を飲み込んだように見えた。

ボクは具体例を出して、今の仕事とゲームセンターの店員の仕事がいかに違うかを説明した。



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