「蒼い星」
1.その男
8.レクト
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デイラの中ほど、シン川の橋のあたりに、ファシオン帝国の軍隊が、集まっていた。

水の止まった川には、黒い大きな鉄の塊のようなものがある。
こじ開けて突入した一団は戻ってこない。

そこからかなり上流で、大きな爆発音が響いた。
土砂が飛び散り、黒い煙がもうもうと視界をさえぎる。轟音は続いた。二つ。三つ。
風下になる国軍は、黒い煙が流れすぎるまで動けずにいた。
と、そのとき。

水のなくなった川底が不気味にゆれ、低い轟音とともに消し飛んだ。そこにいた六十人の帝国の兵士もろとも。
建設中の橋、ユンイラ畑に作られた野営、残っていた城壁、すべてを飲み込み、白い光は、太陽の光すら遮るほど強く、デイラを焼いた。
 
その光は、惑星リュードのはるか上空にいた黒い戦闘艦グレスデーンからも捕捉できた。

グレスデーンは最新の高速艦で、最大十万光年を四時間で移動できる。
搭載人数は百人までと、かなり小型だが、戦闘性能や移動性能、どれをとっても現時点で宇宙最高のものだ。

黒い太陽光吸収素材を使用した表面が、つやりと黒く光る。
流線型に近い形態で、美しくもある。

グレスデーンの艦橋では、栗色の髪の男が腕を組んで、惑星リュードの大気を揺るがす白い爆風を見つめている。

「レクトさん、あの研究所の連中、やりましたよ!」
ジンロが、大きな体を揺らす。

「デイラもろとも消したか。ふん、俺たちのこと責められる立場じゃないな!」
レクトがつぶやく。
「レクトさん!生体反応があります!」

 エッ?

艦橋の全員が振り返った。生きてるわけがない。
爆発は半径十キロにわたっている。

惑星の黒いあざのようになった、デイラの存在した座標をスクリーンで見つめる。



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