「蒼い星」
1.その男
3.頼れるおっさん
シンカが乗っていた馬車は、隣の町ラツールに向かう商人のものだった。
漁師の手伝いで得た駄賃で宿の支払いを済ませるとシンカは自慢げにミンクに説明した。
小さな漁船で、大きな魚を釣り損ねたのだと。
それは幸運を呼ぶといわれる蒼い魚。
それを惜しくも逃したけれど漁師はかかったことで大喜びしたという。
しかもその後には面白いように大物を釣り上げ、予想以上の駄賃をもらった。
すっかりシンカを気に入った漁師が商人を紹介してくれた。
魚の卸業者だった。
これから獲れたての魚を、ラツールという街まで運ぶらしい。
その手伝いをする代わりに乗せて行ってもらうことになったのだ。
「ふ~ん、シンカはたくましいね」
ミンクは馬車の中自分の膝をぎゅっと抱きしめて座る。
時折、揺れで倒れそうになるのを支えたいと思うシンカと平気だよと口を尖らす少女。
どうにも、ちぐはぐだ。
「なに、淋しかった?」
「平気ってば、暑いからもう少し離れてて」
「ちぇー」
それでも、少しだけ顔色の良くなった少女にシンカはホッとしていた。
ミンクはその笑顔から視線をそらした。
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