「** 蒼い星 ** 4th Story」
1.セキュリティー Lv.∞
3
地球の首都ブールプール。
そのほぼ中心に位置するルール・ス・ウェッス大学。
いわゆるブルジョアの子女が通う、政治力は地球でもっとも強いといわれている大学だ。
この日、一年でもっとも大きな行事である卒業式が行われていた。
大学の講堂での一通りの式典が終わると、千人を超す卒業生たちは思い思いに中庭に用意されたガーデンパーティー会場に向かう。
夏の空はまだ昼の色を残し、まぶしい日差しが芝生の緑を白く光らせる。
広い庭園に大理石の彫像そこから静かに流れる噴水。
まだ人が電気も発明していなかったころに作られたという美しい彫像は羽の生えた天使と海神を表現した魚のような生き物だ。それに囲まれた優美な曲線の泉。
たたえられた水がきらきらと輝き、ミンクは目を細める。
今日のワンピースはとてもお気に入りなのだ。
それだけでもうきうきする。
でも今日は卒業の日ということよりも、パーティーにシンカも出席してくれることのほうがうれしかった。
今までどんな行事でも、彼が参加してくれることはなかった。
警備上の問題もあったがとにかくメディアがうるさかった。
ミンクが落ち着いて大学に通えるように配慮してくれていた。
それも今日まで。
「ミンク。」
仲良しのアレクトラだ。
彼女の今日のドレスは藍色のきりっとしたマーメイドラインのもので、彼女の長身に映える。
「アレクトラ、先輩は?」
アレクトラは彼女とお付き合いしている一つ上のスード・キトラ先輩が今日はエスコートしてくれると聞いている。
「あそこよ。ほら。」
指で示すほうを見ると先輩は、泉の向こう側で大勢の学生たちに混じって話している。
その隣に金色の髪の後姿がある。
今日はきりっとした帝国軍の式典に使うような礼服で、その白い服は彼の髪の色に映える。
どきりとする。
こちらをふりむく。
蒼い瞳が微笑んだ。
手を振るとシンカの周りに集まっていた全員の視線がミンクに集まった。
頬が火照るのを感じる。
「やだ、なんだか緊張しちゃうよ。」
ミンクが顔を真っ赤にしているのでアレクトラは笑った。
「わたしまでどきどきしちゃった。行こう。」
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