「水凪の国」
3.大人

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男はアクアの肩越しに、後ろにいるフラワに手を伸ばす。

「やめろよ!」

リョクだ。

ガツと殴られて、リョクは黙った。


「うるさいガキどもだ。まあいい、な、お嬢ちゃん。いくつだ?」


「いや、触らないでよ!」

「売るんだろ!」

アクアが男の胸元に頭突きをしながら、怒鳴った。

「お、なんだこいつ」

縛られているのでたいして威力はなかった。

頭を押さえつけられて、ぐいぐいと押し返された。

男の顔は見えない。

後ろで、残る二人が笑う声がする。


「女の子は、手をつけたら値が下がるだろ!」

「ほ、知った風じゃねえか、ガキが」

面白そうにニヤニヤしながら、男はアクアを立たせた。

「じゃ、お前、代わりに来いよ」

ひげの男は、強引にアクアを立たせる。
髪を掴んだまま、ぐいぐい引っ張って部屋の外に連れ出した。

「後でまわせよ」

煙草の男がまた、煙を一つ吐いた。


「アクア!」


扉が閉められて、二人の声は小さくなった。


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