「可及的速やかにフリーターは」
2章 奇妙な男の背後に浮かび上がる
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6月24日、日曜日。
その日は珍しく朝から小雨が降り続いていた。
雨が降ったのは気象庁が関東での梅雨入り宣言をした日以来で、ここ数日晴天続きだった。

傘を持って外出するのは久しぶり。
普段、雨が降ったときは外出しない。

小田急町田駅からJR横浜線町田駅まではちょっと離れている。
改札を抜け階段を数段上がるとJR町田駅まで続く広いコンコースがある。

屋根があるルートとないルートがあり、晴れたときは決まって屋根のないルートを選んでいた。
今から12~3年前のことだ。

屋根のないルートは斜めに進み、屋根のあるルートは直角に進む。
その分ちょっとだけ移動距離が短くて済む。
当時、ほんの数十メートルでも体力の消耗を減らしたかった。


今は雨が降っているので、屋根のあるルートを歩く。
JR町田駅まで距離にしてだいたい240メートルほどだ。


歩きながら昔のことを思い出した。
ボクはスーツにネクタイを締めて、早足でそこを移動していた。
周りの人たちと同じように。

今もあるのかもしれないが、屋根のあるルートの途中にタバコの自動販売機があった。
タバコを切らしたときはときどきそこで買っていた。

今もその自動販売機があったとしよう。
ボクが目の前を通る。
自販機はボクとは気付かないだろう。
今ではスーツを着ることもタバコを吸うこともなく、メガネもかけていない。
それに、5~6kg太った。


ふと、そんなことを想った。



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