「** 蒼い星 ** 2nd Story」
10.男の見せ場♪
路地に向き合う。
アドは身長百九十八センチ、ウェイトは確か九十六キロ。シンカより、身長で二十センチ、体重で三十キロ以上違う。
普通に戦っていてはかなうわけはなかった。
ジンロの言葉を思い出す。
(なんでもありなら、勝算はありますよ。)
大柄なのにかなり素早い。
前回のけりを食らったことでシンカは学んだ。
今回は、ナイフを使わせてもらう。
その方がいいのだ。
卑怯といわれようと、これが一番戦った後に遺恨がない。
現役格闘家のアドが、見知らぬ青年に負けるわけには行かないのだ。
だから、わざとナイフのハンデをつける。
強さの基準をぶれさせることで、格闘家のプライドを守る。
シンカはナイフを抜いた。それは、軍人用のもので、友人からもらった。
軽くて、本来はシンカの体格ではあまり適していないのだが、持ち運びに便利で目立たないため、最近は長剣より、もっぱらこれで済ましている。
正対で構える。
アドは、余裕らしい。両拳を胸の前に上げている。
体も正面を向いている。
シンカは、アドの得意な左ハイキックを警戒するため、どうしても左前の構えになる。
店の窓から、戸口から、学生とリトルアドが見守っている。
通行人も足を止める。
「やめておくなら、今のうちだぜ。」
アドがふふんと笑っていった。
「約束、守れよ。」
シンカが、間合いを詰める。
同時にアドのローキックがシンカの左足に放たれる!
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