「** 蒼い星 ** 2nd Story」
6.ミンク、冒険
ピピ、ピピ。
耳に痛い音。
銀色の髪が頬に落ちるのを感じながら、少女は寝返りをうつ。
隣に青年の姿はない。
そのまま、無造作に手を伸ばして、目覚ましを止めると、大きな伸びをする。
また、朝早く出勤したのかな。
昨夜のイライラを思い出す。
早朝、多分シンカが出かける前に、キスしてくれたのだろう、ふんわりとしたユンイラの香りの記憶がある。彼の体内のユンイラは、独特な甘い香りをしていて、抱きしめられたりすると香る。
「また、寝てないのかな。」
ポツリと、つぶやく。
枕が冷たいのでなんとなく分かる。
そのひんやりした感触に頬を当て、ため息をつく。
シンカが私を大切にしてくれる分、私だって、大切にしたいのに。心配なのに。
「もうっ!」
起き上がると、今日のことを考える。
大学で受ける講義は四つ、夕方「惑星の歴史」研究会のサークルにも見学に行くつもりだ。
ミンクが、大学に通うようになって、一番楽しいのは昼食の時間だった。
仲良しになった女の子たち四人と、カフェテリアで好きなものを食べる。
おしゃべりする。
みんなは、ミンクの知らないことをたくさん知っている。
流行の音楽や、俳優、大学の先輩のこととか、恋の事。
ミンクは、つい二年前まで、自分の住む惑星以外に宇宙があり、惑星があり、そこに違う種類の人がいるなど知りもしなかった。
この、どうしようもなく足りない知識は、おっとりした話し方とともに好評なようだ。
すごい世間知らずのお嬢様、と思われている。
反論して勘ぐられることを思えば、それはそれでいい。
今日も、ランチのパスタをほお張るミンクを、アレクトラがからかう。
「ねえ、ミンクの彼、どんな人なの?教えてよ。」
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