「** 蒼い星 ** 2nd Story」
5.シンカ、冒険
ナンドゥ、通称仏心街。
暗く、寂れた街は、人通りも少ない。
シンカは、乗ってきたバイクを地下に停めた。
彼がこの町、いや、この首都ブールプールで移動するために取る手段は、電気原動機二輪小型車、バイクだ。
300㏄の排気量のモーターサイクルはスポーツ仕様で、平らでない場所でもかなり走れる。
ある地下街で手に入れたそれは認識番号もなく、免許証もいらない。
もちろん地上で走れば帝国警備兵に捕まる代物だ。
自家用小型飛行艇、ブールプールで言う『車』を所有するには認識番号の登録が必要だ。
個人を特定するその番号は、残念ながらシンカにはない。
もちろん、免許証もない。
だから少し不便ではあるが誰にも知られずに移動するには、このバイクが一番いいのだ。
今は廃線になっている地下鉄道の線路跡を走る。それは、地図にない網の目を、地下街のさらに地下深くに広げている。
整備されていないため、所々、危ない個所もあるが、シンカにはほかにとる方法はない。公共交通機関は、地下街にはない。
湿り気の多い地下鉄道跡を出ると、シンカは一つ息を吸った。
地下街は大体そうだが昼夜を再現する公共光源を何度修復しても、いたずらで壊されてしまう。だから、昼間も夜もなく、いつも薄暗い。
空気を浄化する機械のある建物だけは、厳重に守っている。
これが、もし、悪用されたらこの地下街すべてに悪影響が出る。
前皇帝の時代に、一度、この街の空気浄化装置を破壊したレジスタンスがいた。
全市民の緊急避難、それに乗じた暴動。
その事件のために地下街は地上の人間に嫌われ、そしてこの街の名前は地に落ちた。
最悪の街と。
今、この街の再開発計画が持ち上がっている。
そのまま、汚点として残すべきだという意見もある。
だから、見てみたい。
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